「ムーミンバレーパーク」、アニメ「ヤマノススメ」の舞台である飯能市の自然を守ろうとしています。
メガソーラー設置予定地は「ムーミンの作者、トーベ・ヤンソン」との交流から生まれた市営公園がある里山、17haです。
(東京ドーム約4個分)飯能市が月10万円で事業者に貸出し、メガソーラーが建設される予定です。
私たちはこの自然豊かな土地を、子どもたちに残したいのです。
どうかお力をお貸しください。
ネット署名はこちら! http://chng.it/n9QHbNjP

林地開発許可に於ける、森林審議会(8月24日 開催)の模様 ~傍聴記~

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先日8月24日(月)午後1時30分~行われた、2020年第1回森林審議会の模様です。

林地開発許可制度に設置されている、「森林審議会」の傍聴記です。

実施日 2020年8月24日

加治丘陵の自然を考える会・飯能から3名が傍聴に参加しました。傍聴者は全部で11名。

近日のうちに、県森づくり課より議事録が出るとのことですので、参考程度にご覧下さい。

 ***************************************審議委員11名出席/(4名欠席)

 

諮問事項については 

drive.google.com

https://drive.google.com/file/d/1pJqv_2vlHnjvwy74A5ibSRMCMWhpJHm_/view?fbclid=IwAR09rWPFca2zQ_zGHfoxt2ywzrbH23m3Rq_O_fVGz8_RMDah_mXPWtJYiPY

 

冒頭、公募委員の鈴木英善氏より、

「今回の審議に関連する資料がある会より2回に渡って送られてきた、大変稀なことです。審議会において極めて参考になり、コクランのことなど知ることになったが、正直圧力も感じた。

県の専門性をもって決めたことを信じる。飯能市が選定した事業ということでもある。県の資料をベースとする審議会のスタイルで参加している。」

と発言

 

川越農林センターの永留氏より

「この事業が林地開発許可について、4条件は揃っている」との説明が資料とともに、パワポで説明される。4条件とは、

①土砂災害の流失または崩壊その他の災害を発生させるおそれ

②水害を発生させるおそれ

③水の確保に著しい支障を及ぼすおそれ

④環境を著しく悪化させるおそれ

 

 議長の落合博貴氏(一般社団法人 日本森林技術協会)より、質問を促す。

 駿河台大学・平井純子教授
「開発予定地の横にある駿河台大学の裏山が昨年の台風19号で崩れました。また大学の横の県道は倒木の為、何日もの間通行止めとなった。メガソーラー事業発電建設には兵庫県の条例の様に埼玉県も追加が必要。
これだけ広大なメガソーラー事業を行うということは、森林を切り土・盛り土することで水源の涵養機能が損なわれることや、周辺環境、急傾斜地に置くメガソーラーパネルが土砂災害で流出など、机上の計算では測れないものがある。

昨今の台風の様に想定外の自然災害。熊本県の事例。被害があってからでは遅い。全国各地で豪雨災害によるメガソーラー破損事故が多発していることなど、経営破綻すること、その後の心配がある」

 

議長・落合博貴氏
「先週の月曜日(8/17)に阿須山中に現地調査に出向いた。現地の土壌について見てきたこと、周辺の地元地域での昨年台風19号災害での現地の災害の程度は水かさが増したが甚大な被害はなかった」と報告。

「2016年以降、山間地の斜面にメガソーラー設置を目にするようになってきた。山の斜面にメガソーラーを作っているが、データ情報を持ってやっているわけではない。申請への想定は不十分→全国各地からそういう声が寄せられている。2017年の事例では、全国各地、大規模太陽光発電の問題点が指摘されている。

検討課題である中で山を切り土、盛り土の基準が明確になっていない。また排水の問題もある。

メガソーラー発電の売電期間終了後はどうするのか。また、地元住民と合意形成が取れていない。

長野県には、メガソーラー設置のガイドラインがあり、詳細に渡って配慮したものとなっている。」

 

※本来、審議委員全員で林地開発許可対象地の現地調査をするのですが、コロナで中止になり叶わず。
大野伸江氏(横瀬町議会議員 横瀬町 結木の会)も、“実際現場を見たかった”、と意見。

大野氏
「この事業者はサッカー場ではなく、メガソーラーをやりたいとしか思えない。サッカー場を構成するためのものと思える4法面をサッカー場に加えず0.97haでサッカー場を作りことに埼玉県はそれでOKなの?!4法面を入れなくてよいのか?!」

 

永留副所長
「法面を入れるか、入れないかについては、都市計画法に関連するため所轄外でお応えできかねません。」

 

大滝タキ江氏( 長瀞町長)
「一般論として、メガソーラーのための調整池の状態を見たことがあるが、泥が溜まってサッカーグラウンドとして、状態は悪くなると思う。泥出し、という余計な仕事ができるけど事業者はそれでいいの・・・。」

相葉学氏(公募委員)
「経営、事業終了期間後の現状回帰がどうなっているのかについて。」

 

県職員
「市と事業者と、土地賃貸借契約を結んだ内容によると、市が認める範囲で現状に復せばよいとあります。」

 

相葉氏:※返す言葉なし

※会場静かに沈黙

 

落合議長

「盛り土をおこなったら、簡単には元に戻すことはできない。そこの部分もしっかり確認しておかないと、あとで問題になる。

国交省の宅地マニュアル・宅地・造成・盛り土・斜面→コストをかけて設計しているのが伺える、そこは配慮している。」

 

藤野珠枝氏(一級建築事務所・主宰)
「対象地の阿須山中はどんな森林なのでしょうか?手を入れ約束して開発して、それが普通の人が分かるように飯能市は、20~30年後、この森にどんな青写真を確認しているのか?将来像を確認しているのか?メガソーラー設置直後の姿図、パース図のようなものはありますか?(と森林法上の30年後の青写真を求める。)

希少野生動植物を保護する策はどんなものなのか?ここは保安林に指定されているのか?
所有者のものという位置づけの・個人の財産権ではなく、豊かな自然は社会的財産としてみなすことが今求められている。」

藤武徳氏(林野庁関東森林管理局埼玉森林管理事務所所長)
「地域住民との合意形成が取れていないのでは。事業者による住民説明会が行われたというが、説明会が行われた範囲は?」

県職員
「地元自治会内です。」

審議員:※県職員の回答に首をかしげる

井原愛子氏(TAP&SAP代表)
「メガソーラー事業に県条例がある長野県の様に埼玉県も独自のガイドライン作成を。都心から近いところにある自然。限られつつある自然に森林ビジョンを。森林からの享受を得るのが、限られた一事業ということはあってはならない。」

県職員回答
憲法上の問題として、所有者の財産権を守らなければならない。」

藤武徳氏
「森林をできるだけ残し、土砂流失を回避するために、メガソーラーのエリアを広大にするのではなく、分けて設置するなど考慮も必要。

100年に一度の1時間当たり最大73ミリ飯能市に降った場合を想定しているとのことだが、ソーラー発電事業は未だソーラーパネルを設置後、雨が100パーセント流出することを考えるなど、研究がまだ十分なされていない。」

 

大澤タキ江氏
飯能市議会の議事録を見たけど、長期間に渡って議論をしてきたとあるが、サッカー場とメガソーラーが議事録からは見受けられない。飯能市が強引に進め過ぎているような感がある。」

「県は先ほど、憲法上の土地所有者の財産権を主張しましたが、市有地なので市民の財産です。その市民との合意形成が取られているとは思えない。県は、適、としている林地開発許可の4条件をクリアしている事業というけど、審議委員として、この事業を進めることをよし、とは判断できない。
県が不許可を出すとするとどうなるのか?」

永留副所長
「4条件がクリアされているので、不許可にするのは難しい。」


鈴木英善氏

サッカー場事業者の所有面積(事業者が飯能市の市有地以外の阿須山中内の買い取った土地のこと)は、全体のうちのたったの7.2パーセント。公共性のある土地。行政より事業者に条件を。」


藤野珠枝氏

「事業は住民が納得していない、反対の中で進めてはいけない。地元住民との合意形成を。」

平井純子氏

「地域・飯能市民ともめている状態。災害の懸念もある。住民との合意形成を得て進めるべき。」

落合議長
「諮問事項から意見が強く出た。技術的にクリアしていても昨今の台風の状況からみても審議会として心配。議事録に審議会での意見・条件を付帯し、提出する」

 

ここで、審議会終了。

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 審議会終了後、県職員、関係者に確認しました。

今後の段取りとしては、

審議会が議事録を作成⇒議事録を関係行政庁(今回の場合は県森づくり課)に建議⇒

県はこの議事録を元に課内で検討して答申を示す⇒その後川越農林課所長が判定

会としては、今回の審議会での委員の意見がきちんと盛り込まれた条件となって、付帯された下の許可となるのか、について注視していきたいと考えています。

 林地開発許可制度というものは、担当県職員に何度も聞かされてきたことですが、

4条件が揃えば、『許可せざるを得ない』、ということ。

今回も許可せざるを得ないのだと思いますが、“このままよしとは判断しない”、という

審議委員会のみなさまの統一の意思決定がありました。

第一には、この事業中止と白紙撤回に寄せられた13500筆の多くの方たちの声が審議委員のみなさんに届いたのだと思います。

このままこの事業を進めてはいけない、という市民の声、県民の声がさらに広がるように今後もこの事業を中止にするためにできることを続けていきたいと思います。

その為にはみなさまのご協力は不可欠です。

最後まで、力を貸してください。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

加治丘陵の自然を考える会・飯能