「ムーミンバレーパーク」、アニメ「ヤマノススメ」の舞台である飯能市の自然を守ろうとしています。
メガソーラー設置予定地は「ムーミンの作者、トーベ・ヤンソン」との交流から生まれた市営公園がある里山、17haです。
(東京ドーム約4個分)飯能市が月10万円で事業者に貸出し、メガソーラーが建設される予定です。
私たちはこの自然豊かな土地を、子どもたちに残したいのです。
どうかお力をお貸しください。
ネット署名はこちら! http://chng.it/n9QHbNjP

コクランの移植について、県に要望書を提出しました。

昨日 8月13日(木)、埼玉県環境部長に
『阿須山中のコクラン移植中止を求める要望書』を提出しました。

当会のコクラン移植中止理由を真摯に聞いて頂くことができました。

 

”埼玉希少野生動植物の種の保護に関する条例”のもと、コクランの保護を強く要望いたしました。

1、林地開発の許可がおりていないこと。

2、希少野生動植物の種の保護に関する条例12条にあたる知事への届け出をしたのか不明である こと。

3、移植の前に、調査結果に基づいて、コクラン他絶滅危惧種の生息状況と保護区の設定を含めた今後の保全について、市民に説明する必要があるが、実施されていないこと。

4、コクランの真夏の移植は成功していないこと。(ブログ編集者注 真夏でなくても移植の成功例はありません。)

5、菌根菌への依存度が高い地生ランであり、周囲の土壌と一緒に移植しなければならないこと、その後の移植先が菌根菌の繁殖できる環境が必要であるが、この条件を満たしているのか確認できていないこと。

 

その際、埼玉県議の秋山文和議員(共産党)、前原かずえ議員(共産党)、辻浩司議員(市民ネットワーク)の3名の県議の方に立ち会っていただきました。

 又、過去に天覧山を開発の危機から救う際(詳細はこちら)にも大変お世話になった専門家の方から、野生ランの移植に関して見解を頂きました。併せて提出いたしました。

内田康夫先生による野生ランの移植に関しての見解 
内田康夫先生  
埼玉医科大学教授を経て、 駿河台大学名誉教授  
公益財団法人 日本野鳥の会 初代事務局長) 

野生ランを自生地から別の野外に移植するというのは非常にむずかしいことです。
 そのいちばんの難点は、ラン科植物が ラン菌という土壌菌と密接に相互依存して生育しているという生活形態にあります。ラン菌というのは、子嚢菌類に含まれる無胞子不完全菌類の一群で 主にリゾクト二ア(Rhizoctonia)属の菌類です。

 一方、ラン科植物は、高等植物の中で最も特異な進化を遂げ、世界で約2万5,000種、日本産でも230種の種類を持つ、最も大きな科として発展しました。
 ところが、この進化が、他の動植物(主に昆虫)や菌類との密接すぎる進化となったため、わずかの環境変化もランにとっては致命的な事態を惹き起こし、人類の環境錯乱を最も敏感に受け止めて、今、世界中で次々と絶滅の危機に面しています。

 このような進化の行き過ぎの中で、最も重要な局面の一つは、ランと菌との相互関係です。菌は、菌糸を伸ばして 植物体の中へ侵入して 栄養素を摂取する一方で、ランはその菌体を消化して 自分の栄養としているという、ふつうでは考えられない双方向性食物連鎖関係にあります。その微妙な 食う食われるバランスが.少しでも狂うと どちらかが先に滅び、続いてもう一方も死滅するのです。

 ランは、種子が発芽するのにも ラン菌から養分を受け、植物体が生長するのにも 菌に頼っています。そうして生育しているランによって菌も生き続けて行きます。

 つまり、ラン植物の根茎部分は、ラン根と菌糸とその場の土壌との間に絶妙なネットワークが成立しています。こうした事実を認識すれば、ランの移植などというのが非常にむずかしいことは 容易に理解できると思います。

 なお、花屋で並ぶ豪華な洋ランは、300年以上かけて、すべて人工的な無菌培養液中で細胞切片から成長・開花させているので、ラン菌とは全く無関係です。