「ムーミンバレーパーク」、アニメ「ヤマノススメ」の舞台である飯能市の自然を守ろうとしています。
メガソーラー設置予定地は「ムーミンの作者、トーベ・ヤンソン」との交流から生まれた市営公園がある里山、17haです。
(東京ドーム約4個分)飯能市が月10万円で事業者に貸出し、メガソーラーが建設される予定です。
私たちはこの自然豊かな土地を、子どもたちに残したいのです。
どうかお力をお貸しください。
ネット署名はこちら! http://chng.it/n9QHbNjP

飯能市長へ申し入れを行いました~文化新聞 3月25日付~



2020年3月25日付 文化新聞

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3月25日 文化新聞 No1

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3月25日 文化新聞 No2

 

「阿須山中」事業の中止を

 

大久保市長に市民団体が要望

 

「加治丘陵の自然を考える会・飯能(以下・加治丘陵の会、長谷川順子代表)」は13日、大久保勝飯能市長を訪ね、「『森林文化都市』、「第6次飯能市森林整備」の理念に反する『飯能市阿須山中土地有効活用事業』の中止と白紙撤回を求める要望書」を提出し、「(阿須山中の)案件は飯能市民の9割以上が、まだ知らないと思えるほど、周知していません。今後、質問状を提出するので、質問に対する文章回答とともに説明会のセッティングを」などと要望したのに対し、大久保市長は、「要望は粛々と受けさせて頂いたが、これによって変えることはありません」と、計画の白紙撤回を明確に否定した。加治丘陵の会は、11日に同様趣旨の要望書を大野元裕県知事宛にも提出している。

 

サッカー場は付け足し」

「阿須山中土地有効活用事業」は、市が、同市土地開発事業公社(上良二常務理事)より平成24年から買い戻しを進めている阿須山中の山林(約17ヘクタール)の利活用計画。市は、この土地を有効活用する事業を民間から公募。天然芝グラウンドの公式戦可能なサッカー場と大規模太陽光発電施設を建設するとした「一般社団法人飯能インターナショナル・スポーツアカデミー」(以下、飯能アカデミー、木下聡一朗理事長)の提案を、地方創生にも資するとして最優秀事業者に選定している。

しかし、その事業の採算性、水道を敷設できないこと、計画地のほとんどが、北側傾斜の急斜面で太陽光発電に適さないのでは、ということ、最初に買い戻したときは、自然公園にするという名目だったこと、近年、大型台風等の風水害による土砂崩れ等が増え、そして、それに伴い太陽光ソーラーパネルが、相当の被害を出していることなどが、問題点として何度か議会で計画の懸念としてしめされている。3月定例市議会でも、市議から度々市の見解が質され、計画に反対・賛成双方の立場から討論が行われている。

 市と飯能アカデミーは昨年12月、阿須山中の土地の賃貸借契約を締結。契約内容の骨子は、サッカー事業と付帯する太陽光発電事業のみに使用すること、貸付期間は土地の賃貸借契約が締結された昨年の12月10日から令和4年3月31日までを事業開始前の準備期間とすること、貸付料は年額20万円とすること、事故等は事業者の費用負担とすること、そのほか、使用条件の報告、貸付物件の返還等を規定している。

この土地賃貸借契約の締結を受け2月になって、計画地の平面図など事業概んの資料が、市から各市議に報告され、同月開催された議会全員協議会の議題となり、また、この阿須山中の土地の買戻しが、財産の取得議案(第18議案)として3月定例市議会に上程され、市議から市執行部の見解を質す、活発な質疑が行われた。

 平面図や議会の質疑で分かったことは、現在、県が林地開発申請を受理する前の事前相談の段階であること、この事前相談の内容を修正することも考えられるため、市は、事業者が住民説明会を開くのは、県への申請が正式に受理になった後に行うことが妥当と考えていること、造成には35万立法(ママ)メートルの切土が必要であり、この切土は計画地内の盛土に利用されること、この造成工事に伴い、大雨に備え2か所の調整池が計画され、一つが、周囲を法面で囲まれたサッカー場になること、観客席や駐車場の建設予定はないことなどが分かった。また、議員から、太陽光発電計画地の広さから、計画発電量10メガワット前後の発電の確保は困難ではないか、という疑問の声や、倒産などの際の事業継続について質されている。

 この日、市長に提出された要望書は、「阿須里山の自然を後世に引き継ぐことは私たちの責務」「なぜメガソーラー施設を作らなければならないのか」『トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園』も阿須里山があったからこそ」「オオタカも生息する緑のトラスト6号地に隣接」「メガソーラー利権の疑いも。後は野となれ山となれでいいのか」「近隣市、市民と力合わせ加治丘陵阿須里山保全を」の6つの内容から構成されている。

 「なぜメガソーラーか」では、17ヘクタールのうち、サッカー場は0.9ヘクタールに過ぎず、そのほとんどがメガソーラー施設の建設予定地。メガソーラー設備をつくる付け足しにサッカーの練習場を造るといっても過言ではない、とし里山の自然を伐採し、サッカー練習場と付帯設備としてのメガソーラー施設を建設する理由が見出すことができないなどと、論旨を展開。

 「メガソーラー利権の疑いも」では、自然保全の目的で50億円で取得した土地の一部を年間120万円という格安の賃料で貸与する計画は誰のためにあるのか。事業の選定でも、事業者審査項目で経営健全事業者加点0の「事業者がなぜ選定されたのか、土地賃貸借契約も2か月も経ってから公表されたのか、私たちの疑念は深まるばかり。太陽光発電に不向きな北側斜面、持続可能な安定した運営ができるとは考えられない、と白紙撤回を要求する理由が記述されている。

 席上、長谷川代表は、「県に申し入れを行ったとき、県の担当者たちも、『とてもびっくりするような内容で、受け入れられるのに矛盾を感じ、計画を聞いたときに2度聞き直した』と、言っていた。この案件は、飯能市民の9割以上がまだ知らないのではないか。市民に対する説明が不十分過ぎる。県の担当者は、『土地を貸している以上、何かあった場合の責任は、すべて市に責任がある』とも話していた」と、計画の中止撤回を求める理由を説明し、市長に見解を質した。

 また、会員の一人は、「日高のメガソーラー計画にも関わっているが、業者は、地元説明の時にちゃんとした完成した図面を持って説明している。それは、森林法で全国画一で決まっている」と、質問。

 大久保市長は、「日高は日高、飯能は飯能。県の方から許認可が出ない、駄目だといえば我々も駄目だと思っている。しっかりと諸書類が、そして諸条件が揃えばいいよ、ということだと思う。我々が勝手にやっていることではなく申請し、今待っている訳だから、それを違うだろうと、なかなか言えない」と答え、さらに会員が、「ただ、サッカー場が調整池になるだろうということは、たぶん地元の方は認識さえて(ママ)いない、と思う」と畳み掛けると、市長は「はい、そうですね」と一言。さらに「それでいいですか」と念を押すと市長は「そうですね」と確認。地元住民はまだサッカー場が調整池を兼ねることを認識していない可能性があることを認める一幕もあった。

 大久保市長と長谷川代表の間で、活発なやりとりが行われ、市長は、「地元の方からも駄目という答えは、我々のところに来ていない。ここが、賑わいを創出するということが、私は非常に良いことだと思っている。サッカーをする人には、公認のサッカー場も必要でしょうし、阿須山中のサッカー場は非常に良いことだと思っている。全員協議会などで、市民皆さんの代表の議員さんにも、しっかり説明しているつもり。皆さんの意見だけではなく、市民皆さんの意見も大事。我々としては、要望は粛々と受けさせて頂くが、これで変えることはない」と、計画の白紙撤回を明確に否定し、話合いは終始平行線に終わった。

 また、加治丘陵の会は、この日は要望書提出に留めるが、今後、質問状を提出するので、文章回答を求めるとともに、その説明会を開くように要求した。

 

2020年3月25日付 文化新聞