3月17日 予算案審議における滝沢議員の答弁書
先程紹介した令和2年度 予算案審議についてまずは文化新聞の記事をお読みください。
滝沢議員の発言で①の事が特に理解できず、疑問点が多すぎなので実際にはどのように答弁されたのかお聞きしました。
そうしましたら、答弁書を送っていただきました。
どこへでも公開可能との事ですので公開します。
↓以下滝沢議員の反対討論 全文
議案第18号 財産の取得について 反対討論
議案18号は、土地開発公社が所有する阿須山中の土地17ヘクタールを飯能市が毎年2億円、10年かけて総額では20億円で買戻しをする議案です。平成24年度から買戻しを行い、令和元年度は8回目となります。
市は買戻しの説明にあたって自然公園とし買戻し、具体的な構想は取得後に検討するとしていました。わが党は、土地開発公社の解散に向け債務を返済するために土地の買戻しをすることは止むを得ないが、20億円もかけて買い戻す以上、市民に具体的な構想を示す必要があると指摘してきました。しかし、構想は示されていませんでした。ところが突然、取得目的は地方創生のためと変貌し、平成29年10月、「阿須山中土地有効活用事業」として山中の土地を民間事業者へ貸し付ける事を発表。翌、平成30年2月に「一般社団法人 飯能インターナショナル・スポーツアカデミー」が提案した、太陽光発電とサッカーグランドの提案を最優秀提案事業者として選定し、既に賃貸借契約までは済ませている状況ではあります。
日本共産党市議団は市民の財産を守る立場から4点指摘して反対の討論を行います。
まず、1点目
議案18号では、大字阿須字山中、896番、897番、898番、899番1、899番2に所在する土地、17万162平方メートルのうち持分17万162分の1万5,088を2億円で取得するとしています。しかし、阿須山中土地の登記の記録について調査を行いましたが、登記全部事項証明書には、共有地となっていた阿須山中土地について116分の112については平成3年3月26日、売買により開発公社が取得していますが、116分の2について飯能市に寄付、また、残る116分の2は売買により飯能市が取得した事となっています。この飯能市が取得した116分の4について、山中土地を土地開発公社から市が買戻しを始める直前の平成25年2月1日に、飯能市は開発公社に寄付を行っています。つまり、飯能市が所有していたものをわざわざ土地開発公社に寄付し、戻して、再び買い上げている事になります。登記上、売買となっていることから、平成2年度の公有財産購入費明細書、財産に関する調書について説明を求めましたが、阿須山中土地に関する支出は無いとしたものの、この116分の4についての経緯についての説明はできていません。あまりにも不明瞭であり認める事はできません。
次に、2点目
20億円もかけて買い戻す市民の財産を、地方創生の事業と称して年間120万円の賃借料で民間事業者に貸し付ける事業についてであります。
昨年12月10日土地に関する賃貸借契約は整ったと、2月4日に平面図と共に配信がありました。平面図を見ますと、大半が太陽光発電用地で、サッカーグランドは約1haとなっています。サッカーグランドには観客席はありませんし、一般の市民の利用はできません。さらに驚いたことにグランドは雨水調整池を兼ねているという事であります。
この事業の中心は太陽光発電ではないでしょうか。
飯能市は公募にあたって、地方創生に向けた取組である提案とし
①しごとをつくり、安心して働けるようにする
②新しいひとの流れをつくる
③若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
④時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携するもので
・結婚・出産又は育児について希望を持つことができる社会環境の整備に資する事業
・移住及び定住の促進に資する事業
・観光の振興、農林水産業その他の産業の振興に資する事業 を掲げていますが、質疑において、何ら明確なものは示されませんでした。
この何処が、飯能市の地方創生に役立つのでしょうか、全く認める事はできません。
3点目に
今回の事業では7割の樹木が伐採されるとしています。約12haとなります。さらに造成のための土砂移動は35万立米にもなります。一度壊してしまったものは元には戻りません。飯能市は、第6次森林整備計画で、現状82%を占める針葉樹林を60年かけて39%まで減らし、針広混交林を41%増やし天然育林も20%にするとしています。阿須山中は天然林の里山であります。入間市は「加治丘陵さとやま計画」において山中土地に隣接する場所は自然観察区域として自然環境を損なう開発は抑制する地区としています。また、青梅市では間伐を実施、立正佼成会による育林も行い加治丘陵の自然を守っています。そのような中、飯能市は開発を進めようとしています。森林整備計画をも真っ向から否定する様な事はすべきではありません。
4点目に
事業の進め方についてですが、
地元説明会については、事業者が昨年2回開催したようであります。しかし、市は参加しておりません。どの様な内容の説明がなされたのか直接開発計画を把握はしていません。
また、事業内容については太陽光発電の売電によって、主な費用を賄うとしています。一般的にメガソーラは2ヘクタールで1MWの発電と言われていますが、計画では10ヘクタールが発電設備のようであります。質疑の中では、10.2MWの発電と聞いておりますとの答弁がありました。事業がなりたつかどうかは、売電収入にかかっています。市が貸し付けて事業を行わせるにも係わらず、発電能力の確認も見られません。
市の土地を貸し付ける事業ですから、事業の進捗、事業内容の確認など綿密に関わり合いを持たなければなりません、埼玉県においても同様の見解であります。
事業に対して市の責任はないとする事などあってはならない事ではありませんか。
20億円をかけて、土地開発公社から市が取得する、阿須山中の土地17haは市民の貴重な財産です。長年かけて形成された広葉樹の里山であります。ハイキングや散策、マウンテンバイクなどのフィールドスポーツの場所としても利用されています。改めて地方創生とは何か、問われています。禍根を残すことの無い様、計画を中止して、自然を守るべきであります。
以上申し上げ、反対の討論とします。