滝沢 修議員の回答
加治丘陵の自然を考える会・飯能 代表 長谷川順子様
2020年5月28日
滝沢 修
日頃より阿須山中土地の開発について、その開発を止めるべく様々なご活躍をされている事に感謝申し上げます。
過日郵送されてまいりました質問書について、ご回答申し上げます。
①阿須山中土地有効活用事業者公募の最優秀提案事業者による事業計画案は、生物多様性豊かで、大きな保水力がある山林を大規模に破壊することが前提となっています。このことについて、どうお考えですか?
- 山中の山林は土地開発公社が所有していた土地を公社の解散に向けて、市が買戻しを進めています。市が取得するにあたっては、自然公園として買戻しを始めた経緯があります。現在、市が進めようとしている事業は当初の買戻し理由には全くそぐわず、大切な山林の破壊、自然破壊に繋がりますので容認することはできません。
また、その理由をお聞かせください。
・ 私も度々、山中の場所を訪れています。市民の方々の散策や自然観察、マウンテンバイカーなど様々な方に身近な自然として親しまれています。このまま残す事が最良と思います。また、昨年の台風19号の翌日に唐沢川の状況を視察しましたが、大幅な増水は見られず、川も濁っていませんでした。混交林の保水能力は立証済みです。7割もの立木を伐採し太陽光パネルで埋め尽くせば、その保水力は失われると思います。市はこう言った里山の良さを全く理解していないと言わざるをえません。
②この事業が市議会に諮られないことについて、どうお考えですか?
- 議案として議会に諮ることは難しいと考えますが、事業の進捗などの報告について の説明も大いに不足しています。貴会が6月議会へ提出されました、事業の中止と白紙、撤回を求める請願は好機と考えています。
また、その理由をお聞かせください。
・ 阿須山中土地については、平成25年より、毎年2億円、10年かけて土地開発公社から市が買戻しをする議案が3月議会に提案されます。有効活用事業についての議論はこの案件で行うことはできます。しかし、議論は限られた議員となっています。議会や常任員会を傍聴されました貴会の会員もおられますので実態はご理解いただいていると思います。回答理由とはなっていませんが、提出されました請願は議会の態度を示す機会になります。真摯に受け止め議論させていただきます。
③これが地方創生に当てはまるとお考えですか?
・地方創生は様々な観点があると考えますが、一企業のためにだけにあるものではありません。市民のために有益なものでなければなりません。
飯能市は公募にあたって、地方創生に向けた取組である提案として
①しごとをつくり、安心して働けるようにする
②新しいひとの流れをつくる
③若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
④時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携するもので、出産又は育児について希望を持つことができる社会環境の整備に資する事業、移住及び定住の促進に資する事業、観光の振興、農林水産業その他の産業の振興に資する事業を掲げています。
市は、世界的サッカークラブの選手育成プログラムを活用し、飯能の地から世界に羽ばたくサッカー選手の育成や材育成であるとか、サッカー選手になるために他市からの移住が期待できる。また、この事業を通じてのアルゼンチンとの交流が生まれる、雇用も創出できる。などの理由を挙げていますが、具体的な事は全く示していません。
この事からも私は事業について疑問を抱いて言います。
なお、地方創生につながると言うのであれば、新に山中を開発するのではなく統廃合により使われなくなった、市立小学校等の活用をすべきと考えます。
また、その理由をお聞かせください。
・ 阿須山中の土地を地方創生につなげるというのであれば、問1で回答しましたように、市民の方々の散策や自然観察、マウンテンバイカーなど様々な方に身近な自然として親しまれている状況となっています。貴重な自然が残されています。こういった場所があるから飯能市に引っ越しをした方もいると聞いております。周辺の入間市や青梅市も保全に努めています。大切な市民の財産ですから市民の方々の意見を活かして、自然の宝庫を守る方向で進める事が、市民参加の地方創生になると考えています。
以上、回答となっているか分かりませんが、ご理解いただきたいと思います。