阿須山中の市有地の森は飯能市民の宝です みんなで守りましょう
飯能市は、自然公園を目的に20億円で買戻し中の市有地である阿須山中の森を飯能インターナショナル・スポーツアカデミーに月10万円で貸し出し、森を切り崩してメガソーラー(約11ha)とサッカー場(約1ha)を造ることを決めました。加治丘陵は、入間市、飯能市、青梅市にまたがり、トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園、桜山展望台、七国峠など四季折々の花、木々の緑、鳥の声、川の生き物などを身近に感じながらのんびりと散策を楽しめる市民の森です。その真ん中に位置する阿須山中には、長い間手をつけずにいたことで守られた絶滅危惧種も含め多くの動植物が生育しています。市内にあるほかの人工林の山とは異なり針葉樹と広葉樹の混ざった自然豊かな市民の森です。
飯能インターナショナル・スポーツアカデミーは、飯能から世界に通用するサッカー選手育成を目指してボカ飯能ジュニアユースを設立しました。そして、阿須山中の木を切り、根を掘り起こし、山を崩し、沢を埋めて専用サッカー場を造ろうとしています。上下水道を引くことの出来ない場所です。すり鉢状の底に造られるサッカー場です。雨が降れば斜面を流れ落ちる雨水と土砂をためるための調整池になります。ホームページ等で紹介されている燦々と日が降り注ぎ広々とした明るいイメージとはかけ離れている事は現地を見れば明らかです。
飯能市は「あくまでもサッカーを通じてこの飯能の地から世界に通用する選手を育成すること、サッカーを通じた健全育成であることが目的であり、そのためにサッカー場が必要」と言っています。この事業が、本当に子ども達のためのサッカー場建設であるならば、統廃合で使われなくなった学校など、トイレや水道があり、グラウンドもある、明るく土砂崩れも心配もないサッカー場を造れる場所があるのではないでしょうか。莫大な費用をかけて自然を破壊する意味があるのでしょうか。
私たちは、サッカー選手の育成やサッカー場建設に反対しているわけではありません。なぜ、サッカー場を悪条件である阿須山中に造るのか、わざわざ莫大な費用をかけてまで阿須山中にこだわるのか、この事業の中心である子ども達のためのサッカー場を運営するための調整池に造るのか、不思議でなりません。あくまでもメガソーラーはサッカー場を運営するための付帯設備と主張するのであれば、いつでも子どもたちが安全にサッカーができることを当然最優先に考えるべきです。調整池をサッカー場にするなど問題外です。加治丘陵の自然を考える会・飯能は、飯能市にこの事業の中止と白紙撤回を求めます。